S-PEC(えすぺっく)は、2006年に性同一性障害の子どもをもつ親たちによって結成されました。
「当事者である子どもの苦しみを前にして、親として何ができるのか?」
そう悩みつつも、親自身も孤独の中に取り残され苦悩する現実がありました。
そのような背景から、「当事者や家族・友人たちが共に支えあえるコミュニティをつくろう」という思いではじまったのがS-PECです。
LGBTQ+当事者や性同一性障害をもつ当事者だけでなく、家族や友人など、周囲のひとそれぞれが思いを共有し、支えあえる居場所づくりをすること。
そして、社会がほんのすこしずつ誰もが生きやすい居場所になることを目指して活動しています。
「男性に生まれたのに女性として生きたいと思ってしまう」
「女性に生まれてきたのに自分のことが女性だとは思えない」
「自分の性別がよくわからない」
このような、自分の性別に対する違和感を広い意味で性別違和といいます。
日本では、90年代後半にからだの性別を当事者が望む性別に近づける手術を行ったことがニュースとなり、性別に違和感を持ったり性別を変えようとする人々を「性同一性障害」としてとらえてきました。
2014年から、「性同一性障害」は「性別違和」とも呼ばれるようになりました。
性別違和に悩む人々は、おかれた環境は様々であり、どのようなことに困難を感じるかは多様です。
それぞれの当事者の悩みや思いに寄り添い、よりよい生活が送れるような社会を築いていくことが私たちS-PECの願いです。
L レズビアン(女性の同性愛者:同性が好きになるひと)
G ゲイ(男性の同性愛者:同性が好きになるひと)
B バイセクシュアル(両性愛者:男性と女性を好きになるひと)
T トランスジェンダー(生まれた時と異なる性別として生きるひと)
LGBTはこのようなさまざまな性のありかたの人たちの頭文字をとった言葉です。
この4つの性のありかた以外にも、さまざまな性のありかたが存在していて、この性の多様性を4文字で表現した言葉でもあります。
同じ名前で呼ばれる性のありかたでも、ひとそれぞれ性格が異なるように、性のありかたは多様です。
様々な性のありかたをもつ人々が共によりよい性・生を生きられるようにS-PECは活動しています。